高齢者に対するリハビリ作業の現状について

介護施設では高齢者に対してリハビリを行っている所があります。リハビリは加齢や病気などの理由で弱った筋肉や神経の動きを活発にさせるための治療行為です。体力が低下した高齢者が健やかに生活するにはリハビリによる身体機能の回復が重要ですが、体の構造を正しく理解したうえで、適切な方法を選択しなければ良い効果は得られません。リハビリは理学療法士や作業療法士などの専門職の人が実施、あるいは指導する必要があります。しかし、介護施設の数に対して必要な人員が不足していることから、知識を持たない素人が見よう見まねでリハビリを行っている現状があります。

人手不足による素人のリハビリ治療は高齢者の体に大きな悪影響を及ぼすおそれがありますが、介護施設の職員が事の重大さを理解していないケースが少なくありません。これは介護の仕事に就いていながら、リハビリの重要性を理解していないのが理由です。要介護者の健康管理や健やかな暮らしをサポートするという介護施設の存在意義を否定するような、利益第一主義な施設が存在する事実は否定できません。また、介護職に就いている人の意識の低さがぞんざいなリハビリの横行に拍車をかけています。理学療法士や作業療法士の数を増やすのが良いとされていますが、有資格者の多くは仕事が楽で待遇が良い、大型病院などを職場に選ぶのが現状です。介護施設も待遇改善を図るために給料の金額を上げたり、専門的なリハビリが必要な高齢者の受け入れを拒否するなどの対策を取っていますが、問題の解決には至っていません。